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成果を出す人は“めんどくさいこと”をめんどくさがらずにやる

2023/04/27 Thursday
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結果は “めんどくさいこと”の先にある

先日、ビリギャルこと小林さやかさんの新刊「ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで」が届いたので一気に読みました。
文中で恩師の坪田先生の印象的な言葉がありました。小林さんが1日15時間勉強を続けていた時のことです。

いまこんなに頑張ってるけど、合格したら「もともと頭が良かったから」とか「環境がよかった」と言ってくるよ。そしてもし不合格だったら「ほら見たことか」「やっぱり無理だったんだ」と言う。どちらにせよ人は結果しか見ないで好き勝手なことを言ってくる。でも大事なのはここまで毎日努力できている、頑張れているという事実であってそれを結果に関わらずすごく尊いことだよ

「ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで」より

これはビジネスの世界でもよくある話だと感じます。

誰かが何かを成し遂げた時に「あの人だからできた」「もともと優秀だし」「もともと人脈すごいし」などと、成功したことを当然のように考えてしまいます。
そう考えることで自分が上手くいかないときへの言い訳にもなりますし、自分が同じことにチャレンジしない理由としても妥当な気になれるのかもしれません。

ただ、少なからず私が見てきたなかで「その人だから何もせずにうまくいく」ことはほぼありません。どちらかというと、成功したり何かしら結果を出す人ほど、他の人と比べても圧倒的に泥臭いことを平気でやっていたりする印象の方が強いです。

ホリエモンこと堀江貴文さんの知人の方いわく、年末の舞台のチケットを売るために、ありとあらゆるLINEグループなどに堀江さんが自ら「こんな舞台をやります。ぜひ来てください」と泥臭い営業をしているそうです。そして、「行きます」と返信した人には「購入しましたか?何日ですか?」としっかり詰め切る、まさに営業の基本のような動作を愚直にやっているそうです。

堀江さんに限らず、そういった行動をとるビジネスパーソンは総じてかなりの結果を残している人だったりします。私の友人でも本を出す人が増えていますが、みんな当たり前のように個別に「いついつ本が出ます。買ってください。よければシェアもしてください」とがんがんお願いしてきます。良い意味でしつこさや厚かましさがあるのですが、共通しているのは「めんどくさいこと」をめんどくさがらずにやることです。

継続は差になる。続けるかを見極める基準とは?

また、先日受けた取材でもリンクする部分がありました。

著書である『THE FORMAT』に関する取材だったのですが、インタビュアーから「フォーマットを作るのもそれに沿って書き続けるのも、なかなか続かないじゃないですか。なんでそれをやり続けられたんですか?」と質問を受けました。

私の回答は「みんながなかなか続かないからこそ、続けるだけで差になるんです。僕はそういう『続けるだけで勝てるもの』は積極的にやるようにしてます」でした。

これは私が常に考えていることですし、思考の癖にもなっていることなのですが、続けるだけで他の人と差がつくこと、他の会社や事業に対して優位に立てることを見つけて、それを徹底的にやり続けることにしています。これは事業責任者をしていたときもそうですし、営業やマーケティングを管掌しているときも、経営でも同じです。

ただ、もう少し踏み込んで、やり続けることを見極める基準について考えてみます。

自分の過去のパターンを振り返ってみると、条件が2つあります。
1つ目は「めんどくさいと感じたこと」、そして2つ目は「やり続けるのに特別な経験やスキルを必要としないこと」、この2つです。

私は人間の行動を阻む最大の理由は「めんどくさい」だと思っています。なんだかんだ論理的な理由をつけるけれど、本音はめんどくさいからやらないことがほとんどなのではないかと思うのです。

自分がめんどくさいと思ったら、きっと他人もめんどくさいはず。なので、めんどくさいと感じたことこそ、とりあえずやってみる、そしてやり続けてみることにしています。

以前の記事でも書いた、仕事は「ドキュメントにすべて残す」「フォーマットにする」などはまさにその例です。私だって、本心では話した方が早いと思うことはあります。それでも続けることで中長期的なアドバンテージがあるのであれば続けますし、うまくできなくてもいいので、続けることを目的としています。(続けていけば、自然とうまくなっていくのですが)

ドキュメントに残すことは、まさに2つ目の特徴も捉えています。何かをやる時に、特別なスキルや経験がないとできないようでは、継続のハードルは上がってしまいます。
だからこそ、特別なスキルや経験がなくても、なんとか成立するものであることが大事です。

成功の裏にあるのは、努力と思わない愚直さ

私の本の書評で「ビジネスパーソンにとって普通のことしか書いてない」というレビューがありました。この方はマイナスの意味で書いたのだと思うのですが、まさに『THE FORMAT』には普通のことしか書いていません。その通りなのです。

でも、その基本的なことをやり続けてフォーマットを作っていたら、それが本になっているわけです。それくらい、基本的なことなのにみんなやってないし、やり続けないからこそ貴重なものとして書籍化しようとなっています。

その事実だけ考えても、基本的なこと、難しくないことをやり続けることはやはり大きな差を生むのだと思っています。

上述した堀江さんや私の周囲にいる結果を残し続けているビジネスパーソンは、自分がお願いする以前に多くの人からのお願いに応えてきています。だからこそ、いざ自分がお願いしたら、みんなも協力してくれるわけです。

ただ、そういった泥臭く、愚直に、DMを送り続けるようなことをやれる人は驚くほど少ないです。しかも、愚直に行動に移すことを努力とも思ってないのです。

このような努力は表には見えないので、「SNSで告知したら簡単に売れる!」みたいに見えてしまいがちです。たしかに、売れたという結果は大事です。ですが、その裏には売るために必死で考え、愚直に行動したり、時間を費やしているわけです。

もちろん、結果に繋がらないこともあります。だとしても、行動していた事実は変わりませんし、行動ができるかどうかの方がよほど大事なのではないでしょうか。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。