この記事では、AI論文検索サービスSciSpaceについて紹介します。
※2024年4月時点の情報です。
\AIサービスに興味がある方はチェック/
SciSpaceとは
SciSpaceは、過去に公開された論文の中から、自分が調べたいテーマの論文を検索できるサービスで、現在1,220万件を超える論文がシステムに登録されています。
さらに検索した論文をAIチャットボットが要約したり、論文に何を書いているか質問できたりするため、短時間で情報を収集したい方には大変便利なサービスです。
また、お手元のPDFの論文をアップロードし、AIチャットボットで内容確認することも可能。PDFに含まれる図表をAIで読み取り、チャットボットに解説してもらうなど、最新のAI技術を駆使したインターフェースとなっています。
世界中の論文をいち早く検索したい研究者の方にはとてもおすすめです。
SciSpaceの料金プランは?
無料で利用できますが、無料プランでは検索できる論文が制限されています。また、チャットボットも標準的な性能のAIエンジンでの対応となります。
有料プランでは、論文の検索制限はなく、AIチャットボットも高性能。さらにCSVなどでのエクスポートや充実した技術サポートを受けられるなど、より使いやすい仕様です。
なお、年契約は月契約よりも40%安く、研究者や大学であればさらにお得にSciSpaceを利用できるプランも用意されています。
SciSpaceは日本語で利用できる?
SciSpaceは、約70の言語に対応しており、日本語にも対応しています。言語選択にて日本語を設定することで、チャットボットと日本語での質問・回答のやりとりが可能となります。
登録されている論文は主に英語ですが、日本語への翻訳や質問等にも問題なく対応できるなど、非常に優れたサービスです。
SciSpaceを使ってみた
論文を検索する
では、早速論文を検索してみましょう。疑問形で質問することが好ましく、末尾に「?」をつけることが推奨されています。
今回は、「ソーシャルメディアは、企業の採用にどのような効果をもたらしますか?」と入力しました。
質問入力後、エンターキーを押すと検索結果が表示されます。画面右上の言語設定を「Japanese」にすると、日本語にて表示されます。
サインアップし、Copilot(チャットボット)に質問する
気になった論文のタイトルをクリックすると本文が表示されます。基本的に英文で、図表はなく文章のみの表示であることが多く、日本人の我々では解読が困難な論文も多いです。
そんな時に活躍するのが、SciSpaceに装備されたAIチャットボットである「Copilot」です。論文を要約したり、論文に書かれている内容を前提とし、こちらの質問に答えてくれたりします。
Copilotを起動するには、画面右上の「Ask Copilot」をクリック。
SciSpaceへのサインアップが求められるので、「Sign Up」をクリックしてください。
サインアップの方法は、個別に名前とメールアドレス、パスワードを設定する方法と、Googleアカウントと紐付ける方法があります。
サインアップ後Copilotが起動したら、まずは「Explain Abstract of this paper in 2 lines」(2文で要約する)をクリックしてみましょう。
検索した論文を、シンプルな文章で要約してくれます。
さらに、いくつかの質問案が提示されています。
「ソーシャルメディアプラットフォームは採用にどのように役立ちますか?」を選択した結果は以下となります。
追加質問の例についても、下段に3つ表示されるので、気になる質問があれば選択してください。自分で考えた質問文を入力することもできます。
質問した事項を記録、深掘りする
Copilotとのやりとりを記録したり、さらに深掘りして質問することができます。
まずやりとりを記録したい場合は、Copilot画面左下の「Save to Notebook」をクリックします。「My notebook」に保存され、画面左側のノートアイコンからいつでも呼び出しが可能です。
また、Copilotの回答をさらに深掘りして質問するためには、「Follow up」をクリックし先ほどの質問回答を引用した上で、追加質問します。
以下のように回答されました。
追加の質問の回答についても「Save to Notebook」からMy notebookに保存できます。
より深く論文を理解するために、非常に有効な機能と言えます。
PDFの論文をアップロードし、Copilotに質問する
SciSpaceには、PDF論文をアップロードしてその内容をAIが認識、Copilotに質問することができる便利な機能があります。
まず、メイン画面で「Ask Question on PDF」を選択し、論文のPDFをアップロードします。文章だけではなく、図表が挿入されているPDFでも問題ありません。
先ほどSciSpaceで論文検索を行った時と同じように、Copilotで要約や質問ができるようになります。
PDF内の図表を読み取り、Copilotから解説を受ける
PDF論文アップロード機能では、論文中の図表が何を示しているか調べることもできます。
前述の手順でPDFの論文をアップロードし、「Explain math & table」をクリックしてから、PDF中の図表を範囲選択します。
そうすると、Copilotの画面に図表がペーストされ、図表が何を示しているのかCopilotが説明してくれます。図表に書かれている事実だけではなく、それが意味している結果についても考察しているのは驚きです。
以上、AI論文検索サービス「SciSpace」の解説でした。
多くの論文を一瞬で検索でき、さらに論文の内容を全て見なくてもCopilotに質問する形で内容を素早く理解することができる非常に有効なサービスです。
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山咲 かもめKAMOME YAMASAKI
企業内起業家、兼ライター。建築・金融・不動産業界にて15年働いた経験を活かし、企業の新規事業開発やマーケティングをサポート。休日はフォトグラファーとしても活動中。2020年に個人で不動産投資を開始、将来の夢はメガ大家さんになること。