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採用?アウトソース?企業が人材リソースを獲得する5つの方法

2022/08/02 Tuesday
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あらゆる企業において課題となり得る「人手不足」。「どうやって求める人材を獲得すればいいのか」と悩む企業も多いのではないでしょうか。今回は、企業が人材リソースを獲得する際の5つの方法とそれぞれ選び方についてお伝えします。

なぜ、人材を獲得しづらくなっているのか?

そもそも、なぜ企業は人材を獲得しづらくなっているのでしょう?

もちろん、「企業の認知度が低い」「採用のリソースが足りない」「収益構造的に賃金が低い」など、それぞれの企業の課題が人材が集まりづらい要因になっていることもあるでしょう。しかし、各社の事情に限らず、あらゆる企業が人材を獲得しづらくなっているのには社会全体の変化が大きな要因になっていると言えます。

要因となる社会全体の変化として挙げられるのが「労働者の減少」「働き方の多様化」の2つです。

「労働者の減少」はよく論点になりますが、パーソル総合研究所の推計によると、2030年には、7,073万人の労働需要に対し、6,429万人の労働供給しか見込めず、「640万人の人手不足」となると言われています。絶対的な人口ボリュームの減少が今後の人材獲得に影響することは間違いなく、専門的なスキルを有する人材においてはより一層獲得しづらくなることが予想されます。

また、「働き方の多様化」は、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが広がったことでより加速しました。兼業や副業などの働き方も増えていることから、多様な働き方ができない企業では候補者が減り、人材が獲得しにくくなる可能性があります。

人材を獲得するための5つの手法

前述したような社会の流れは止めることができないなか、企業としてはなんとかして人材を獲得していきたいところ…。

そのためには、求める人材に応じて獲得方法を使い分けることがポイントです。ここでは、企業が人材を獲得するための5つの手法を紹介します。

具体的には、人材リソースを獲得する手法には「直接採用」「派遣」「アウトソーシング」「クラウドソーシング」「スキルシェアリング」の5つがあります。

直接採用

新規/中途での社員採用、アルバイト採用などが「直接採用」に当たり、ほぼ全ての企業で実施されています。最近では、ダイレクトリクルーティングという手法で、企業から人材に直接アプローチをすることも一般的になっています。

  • メリット:状況に合わせて、柔軟に業務を任せることができる
  • 懸念点:採用活動~戦力化までに時間がかかる

派遣

派遣会社から人材を紹介してもらう「派遣」も多くの企業で活用されていて、厚生労働省によると、派遣社員は国内に約169万人いると言われています。一般事務からエンジニア、現場対応からフルリモートまで、幅広い業種や体制が存在しています。

  • メリット:派遣会社に依頼すれば人材をイチから探す手間がかからない、高いスキルセットの人材が見つかりやすい
  • 懸念点:アルバイトと比較すると雇用のコストが高い、業務以外のトレーニングが期間が必要

アウトソーシング

「アウトソーシング」も人材リソースを確保する手法として一般的で、専門会社の人材に自社の業務をアウトソース(委託)します。業務領域は幅広く、以前から需要の高いコールセンターや警備などに加え、事務・経理・採用・マーケティングなどでもアウトソーシングの活用が進んでいます。

  • メリット:必要なときに、必要な期間、必要な人材を獲得することができる
  • 懸念点:アルバイトと比較するとコストが高い、業務の切り出しに準備が必要な場合がある

クラウドソーシング

「クラウドソーシング」は比較的新しい人材リソース確保の手法です。企業が依頼したい業務を整理した上で、インターネットを介して専門サイトで不特定多数から作業者を募集し、条件にマッチした人材に業務を依頼します。

  • メリット:必要な業務をコスパ良く依頼できる
  • 懸念点:人材によってクオリティにバラツキがあることがある

スキルシェアリング

「スキルシェアリング」も比較的新しい人材リソース確保の手法です。クラウドソーシングとは違い、スキルを持った特定の人材に対し、企業が業務を依頼するという流れが基本です。人を重視して業務を依頼する点が、クラウドソーシングと異なるポイントです。

  • メリット:スキルの高い人材が多い
  • 懸念点:スキルの高い人材は需要も高いため必要なときに依頼できるとは限らない、コストが高い

5つの手法を使い分ける判断基準とコツ

では、5つの手法はそれぞれどのように使い分ければいいのでしょう?
判断する際には、「緊急度」「人材の規模」「専門性」の3つがポイントとなります。

人材獲得の緊急度はどれくらいか?

すぐにでも働き手を確保したいなら、「アウトソーシング」「クラウドソーシング」「スキルシェアリング」がおすすめです。プロ集団のスキルを素早く企業に導入することができます。少し長い目で見るなら、「直接雇用」で自社のカルチャーにフィットする人材を自社の基準で選定し、活躍してもらうのもよいかもしれません。

必要な人材の規模はどれくらいか?

大量の人材を確保したいなら、「直接雇用」か「アウトソーシング」がおすすめです。一括で採用・アウトソーシングすることで、一気に人材を確保できます。
少人数であれば、「派遣」「アウトソーシング」「スキルシェアリング」がおすすめ。「アウトソーシング」は人材の規模に柔軟に対応できるので万能の選択肢と言えます。

業務の専門性はどれくらいか?

専門性が高い業務であれば、「スキルシェアリング」と「アウトソーシング」がおすすめです。「スキルシェアリング」はプロフェッショナルな人材の力を短期間、スポットで確保しやすく、「アウトソーシング」はそれぞれの専門領域でサービスを展開しているため、運営ノウハウやプロ人材が豊富です。

汎用的な業務が多い場合は、「直接雇用」か「派遣」がオススメ。会社の状況によって運用が変わったり業務範囲が増減しても、比較的柔軟に対応ができます。

以上が、企業が人材リソースを獲得する際の5つの手法とそれぞれの選び方のポイントでした。

人材を獲得すると言っても、その手法は複数あります。必要な人材を必要なタイミングで確保できるように、ぜひ複数の選択肢から検討してみてください。

アウトソーシングについて、より詳しく知りたい方は、「はじめてのアウトソーシング活用ガイド」をご覧ください。

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