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中途採用担当のお悩み解決〜面接の通過率が低い場合〜

2022/10/11 Tuesday
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あらゆる業界で人材不足が課題となっているなか、漠然と「人が採用できない」と悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。解決するには、まずは「何が問題で採用が進まないのか」を把握し、問題点の対策を重点的に行うことが必要です。

「書類選考の通過率が低い」「面接の通過率が低い」「内定承諾率が低い」などさまざまな問題が考えられますが、今回は中途採用における「面接の通過率が低い」場合の対策について、「問題の細分化」「要因の把握」「施策の検討」の3つのステップを通じてお伝えします。

1.問題の細分化 〜面接の通過率が低下する3つの理由〜

面接通過率の低下という問題をさらに細分化して考えると、以下のA、 B、Cに分解することができます。

A:面接設定率が低い

面接設定率とは、書類選考に通過した人のうち実際に面接を実施できた割合を指します。面接設定率が低いということは、書類選考は通過したが面接を実施できなかった人がいるということです。自社にマッチする可能性のある候補者との面接ができないのはもったいない状態です。

B:面接合格率が低い

面接合格率は高ければ良いわけではありませんが、限られた時間で採用活動をしていく上では、自社にマッチしそうな人材は適切に合格判定を出していかなければなりません。面接合格率が低すぎる場合は、良い候補者を見極められていない可能性もあります。

C:選考途中の離脱率が高い

選考中の離脱率が高いということは、選考を辞退する人が多いことを意味します。面接設定率が低い場合と同じような要因が考えられます。

つまり、「面接自体を設定できていない」のか、「面接はしているけどマッチしない」のか、「面接もできてマッチもするけど、途中で選考から離脱されてしまう」のかのいずれかということです。どれが問題になっているのかによって、対策は当然違ってきます。

2.要因の把握 〜選考スピード・面接の判断基準、選考内容は適切か?〜

問題を細分化できたら、それぞれの要因を考えます。たとえば、一般的な要因としては以下のようなものが挙げられます。

Aの要因:面接設定率が低い

  • 選考スピードに問題があるのではないか?
  • 転職意欲や志望度が低いのではないか?
  • 候補者対応に問題あるのではないか?

Bの要因:面接合格率が低い

  • 候補者を正しく判断できていないのではないか?
  • 面接官と採用関係者で求める人物像が異なっているのではないか?

Cの要因:選考途中の離脱率が高い

  • 企業や事業の魅力が伝わっていないのではないか?
  • 選考内容によって企業への関心が薄れているのではないか?
  • 選考フローに問題があるのではないか?

上記に加え、自社の状況に合わせて具体的な要因を考えることをおすすめします。

3.施策の検討 〜選考のスピードアップ・判断基準の言語化・選考内容の見直しなど〜

要因が見えてきたら、いよいよ「何をするか?」という具体的な施策を考えていきます。たとえば、2で挙げた要因では以下のような施策が考えられます。

Aの施策:面接設定率が低い

・「選考スピードに問題」→「日程調整・選考結果・次回面接の連絡スピードを確認」
選考スピードは企業が思っている以上に大切です。「数社応募していたが、迅速な対応をしてもらえたのが入社の決め手の1つ」という入社理由も珍しくありません。日程調整の連絡が遅くないか、選考結果の判断が遅くないか、次の面接までの期間が長くないかなど、選考スピードに影響を及ぼす業務を1つずつ見直していきましょう。

・「転職意欲や志望度が低い」→「明確な意思表示、選考以外の交流機会の設定」
転職を検討する人の温度感はさまざまですが、「面接をしてみて、この会社で働いてみたいと思った」ということもあります。転職意欲や志望度を上げるためには、次回選考に進んでほしい旨をストレートに伝えることが重要です。また、自社で働くイメージを持ってもらうために、応募する職種やチームメンバーと話す場を設けたり、会社見学を実施したりするなども効果的です。

・「候補者対応に問題」→「候補者へのメール、受付対応などの接点をチェック」
選考中に送られてくる企業からのメール、会社訪問時の受付対応、面接官の対応など、候補者が企業と接点を持つ部分に問題がないかチェックしましょう。必ずしもこうすればいいという正解はありませんいですが、気持ちのいい対応を心がけることが大事です。

Bの施策:面接合格率が低い

・「候補者を正しく判断できていない」→「評価項目・質問・判断基準を明確にする」
評価項目は「面接で確認したいこと」、質問は「評価項目を見極めるための質問」、判断基準は「質問の回答を評価する基準」です。これらが明確でないと、面接官の個人的な好き嫌いや、採用要件以上の要求などが発生しやすく、適切な合格判断ができない可能性があります。この3点は、採用要件と合わせて定期的に見直しをし、常に明確にしておきましょう。

・「面接官と採用関係者で求める人物像が異なっている」→「ヒアリングと面接同席」
採用担当者と面接官で求める人物にずれがあることがあります。採用担当者は、面接官に不合格の理由をヒアリングしたり、実際の面接に参加させてもらうなどの対策をし、求める人物像のずれを修正しましょう。

Cの施策:選考途中の離脱率が高い

・「企業や事業の魅力が伝わっていない」→「採用ピッチ資料の準備」
選考フェーズの初期に企業の魅力を伝えられないと、候補者の意欲や志望度が下がってしまいます。面接官によって差が出ないように、採用ピッチ資料を用意するのがオススメです。企業の取り組みや今後の展望を視覚的に伝えることで、候補者の理解も深まります。

・「選考内容によって企業への関心が薄れている」→「基本的な対応を再チェック」
候補者がネガティブに感じる要素は排除が必要です。候補者のレジュメの事前確認、面接時間の長短、面接の場所、面接官の態度、面接官の企業説明など、中途採用活動として最低限のルールやマナーが守られているかをチェックしましょう。企業として不誠実な対応をしては、候補者から見放されるだけでなく、レピュテーションリスクもあるので、気を抜けません。

・「選考フローに問題がある」→「候補者への負荷の適切さをチェック」
少しでも良い人材を獲得しようと、複数回の面接を設けたり、候補者に課題提出をお願いする場合などがあります。適切な判断のための選考過程は重要ですが、採用に課題を感じている場合は、選考回数の削減や課題提出のやり方を見直すのも良いかもしれません。

以上が、「人が採用できない」という漠然とした悩みを解決するための3ステップでした。

面接の通過率が低いと感じている場合は、今回のようなアプローチでまずは問題点を分析するところから始めてみてください。

書類選考の通過率に課題を感じている方は、以下の記事もご覧ください。

中途採用担当のお悩み解決〜書類選考の通過率が低い場合〜

また、中途採用でお悩みの方に向けた、ホワイトペーパーや無料の相談会もございます。ぜひご覧ください。

ホワイトペーパー:4つのステップで理解する中途採用計画の作り方

無料相談会:中途採用で成果を出す目標設定と運用方法

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