MAKING EFFICIENT 業務ハック/効率化

無駄な会議を減らし、会議を使って事業を推進する – 前編 –

2022/08/02 Tuesday
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2020年に起きた新型コロナウィルスの感染拡大以来、リモートワークをするビジネスパーソンは増えましたが、最も変化があった業務は「会議」や「打ち合わせ」ではないでしょうか。コロナ禍前は会議室に大人数が集まり会議をすることが普通でしたが、2022年現在ではZoomやGoogle Meet、Teamsなどを使ってのWeb会議が普通になってきています。

Web会議は非常に便利ですし、効率的です。
移動を伴わないので連続で行うことが容易です。コロナ禍以前であれば13:00にA社と打ち合わせ、その後移動して15:00にB社と打ち合わせというスケジュールが一般的でした。1日にできる打ち合わせは頑張っても4、5件が限界でした。それがWeb会議になれば、移動がない分、1日7、8件実施することも可能です。この記事を読んでいるビジネスパーソンのなかには1日10件以上の会議や打ち合わせを行っている人もいるのではないでしょうか。

会議や打ち合わせは重要な意思決定をしたり、事業を推進するのに有効な手段である一方で、形骸化し、無駄な会議も少なくありません。

ほとんどのビジネスパーソンは
「あれ、この会議は何のためだっけ?」
「この会議、無駄じゃない?」

と思ったことがあるのではないでしょうか。

無駄な会議を減らすのは、忙しいビジネスパーソンにとっては重要なイシューです。
少なくとも会議は30〜60分かかります。もし、その時間がなくなればチャットやメールを数本返したり、記事を1本書いたり、資料を作る時間に当てられます。つまり、効果的な会議ダイエットこそ、生産性を上げることに繋がります。

ここでは、効果的に“会議ダイエット”をして生産性高く働いている人の例を紹介していきます。

まず1つ目です。
私の周囲には本当にたくさんのプロジェクトや仕事を抱えているのに、暇そうにしている人がいます。そういった人にどうやって仕事を進めているか聞くと必ず言われることがあります。それは「できるだけ会議をしない。全部チャットでやる」という言葉です。

何か仕事を進めるときに、メンバーに対しても「できるだけ会議をしないで。全部チャットでやって」と言い続けるとのことです。
会議であれば1つの議題しか会話できませんが、チャットであれば同じ時間で3、4つの議題について同時にコミュニケーションをすることができます。これが毎日続くことになれば、1ヶ月あたりの生産性は大きく変わるので、そもそも「会議をしない」のです。

ただ、いきなり「会議なし」で進めるのには抵抗がある、なかなか難しいのも事実でしょう。その場合は「会議をチャットで行う」ことから始めてみるのが有効です。会議の時間に参加者がPCの前に集まって議題についてチャットでコミュニケーションをするやり方です。最初は慣れないかもしれませんが、直接口頭で話さなくても成立できる会議があることに気づけるだけでも有効です。

2つ目は会議時間を徐々に減らし、頻度を徐々に減らし、いずれなくしていくやり方です。

まず「上司に数値を報告する会議」を毎週設定する必要はありません。
上司は分析してほしい項目を事前に共有しておき、部下にまとめてもらいます。気になるテキストやデータを自分で取りにいき、聞きたいことがあるときだけ会議を実施することで頻度も時間も減らせます。

とはいえ、プロジェクトが始まったばかりの頃は「そもそも何を考え、実行すればいいのか?」を決めなければいけないので、会議の場を設ける必要が出てきます。
しかし、そのまま会議を続けていくのではありません。
会議を重ねるたびに、計測したい数字が固定され、実績・数値から見える課題、対策など…話すフォーマットが決まってきます。
フォーマットが決まり、メンバー全員がそれを意識して動ける習慣がついてきたら会議は減らしていけます。
プロジェクトが進んでいけば、タスクと担当者が決まって、議論するべきことは減ってそれぞれが仕事を進めていくフェーズになります。むしろ、会議は減っていくことを考えながら、会議を活用していくのがリーダーの仕事とも言えます。

前編では会議の減らし方を考えてきましたが、後編では会議を有効に活用し、事業推進をしていく方法について考えていきます。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。