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この4月に新入社員が多く入ってきて、働き方に関するニュースも増えていますが、今春採用の国家公務員で女性比率が39%超になったというニュースがありました。
参照記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240607/k10014473751000.html
現在、岸田内閣でも男女の賃金格差が大きい業界は、その対策を示すことを企業に求めるような動きが増えており、職場でのジェンダー平等の動きは一層加速しています。
あらゆる研究でも、グループ内で自分がマイノリティだと感じると、実際にパフォーマンスが落ちてしまったり、同じ能力でも、自分や周囲から過小評価になることは知られています。一方で、グループ内に同じ属性の人が30%を超えるとマイノリティ性を感じなくなり、本来の力を発揮することができるようになる、さらには30%以上いると、その人たちが働きやすいように環境を変えようという力が働くと言われています。
とある飲食チェーンでは、女性社員を増やすために、勤務間インターバル(前日に終業してから翌出勤まで一定時間以上空けなければいけない制度)を導入したそうです。しかもそのために深夜の営業時間を変えるなど徹底して実施しました。その結果として、女性社員が増えたことはもちろん男性も定着率が大幅に改善し、採用にかけていた費用が1/10以下になったという例もあります。
国家公務員、特に官僚の働き方に関しては、ここ数年かなり指摘されるようになってきましたが、なかなか改善されていません。深夜残業や長時間労働などが常態化され、女性にとってずっとキャリアを続けていくのは難しい、そういった職場になってしまっている結果、若手の離職も問題になっています。
この1つの解決策として、職場における女性の比率が30%を超えること、もっと言えば50対50に近づくことでより女性のみならず全員にとって働きやすい職場へと変わっていくきっかけに繋がるかもしれません。
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※この記事は、2024年6月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。