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これからの組織で大事なのは「社員の能力活用度」

2025/03/19 Wednesday
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今週、 Alternative Work Lab所長・石倉が気になった記事をメルマガからピックアップしてお届け。

ミドルキャリア(中堅社員)について興味深い調査が出ていました。
参照記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000223.000005749.html

社会人を何年やっても仕事が完遂したり、結果がやりがいに繋がるのは変わらないと思います。よく「仕事が人を育てる」と、新卒に対していきなり大変な仕事を任せるという会社は昔からありましたが、中堅対象だとそれがなくなる会社も少なくありません。

それは中堅になると、管理職や幹部候補とされる人と、そうでない人の2つに分かれてしまいます。つまり、選抜された人は難易度の高い仕事を任せられて成功体験を積んでいく一方、選抜に漏れた人は、目の前のことをやってもらう、という会社は少なくありません。

これからの幹部を育てる観点ではよかったのかもしれませんが、これからは人口も減り、採用が難しくなっていきます。つまり、今まで以上に全員の持てる能力を十分に発揮してもらう,また能力を引き上げ続けてもらう必要がでてきます。

日本企業では社員が本来持っている能力に対し、その能力を必要としない仕事にアサインされてる人がかなり多いという研究結果もあります。

これは伸び代とも言えて、すべての社員が少しずつできる仕事の範囲を広げたり、難易度を上げることができたら生産性はかなり変わるはずです。

そういった意味でも、これからは全ての人に対して、いまの実力よりも少し上の仕事を任せ続けることが重要になります。

その時に重要なのは、上司が部下の能力と仕事の難易度の2つの見極めが正確にできることです。そして、その2つを適切にマッチングさせながら、成果が出るようにサポートするという役割が必要です。

これは簡単ではありませんが、それにチャレンジし続けることで上司の能力自体も上がっていくことになるでしょう。

今後は、会社ごとに社員の能力活用度のようなものが指標化されていき、それに対して人が集まるという変化も起きていくだろうと思います。

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※この記事は、2025年3月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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