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明治安田生命が2027年度から「定年を70歳にする」という方針を打ち出しました。
参照記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240701/k10014497561000.html
人生100年時代といわれますし、働ける人、働きたい人が年齢関係なく働けるようになるのは良いことです。
また働き方に選択肢が増え、少し退職金を減らしても早めに退職して新しいチャレンジをすることもいいし、満期まで働いて退職金を満額もらうという選択もできるようになります。
一方でただ、長く働くだけではなく、質を高く働くことを個人は会社に求められるようになるし、それを実現すべきなのは変わりません。
個人で言えば、年齢を重ねても変わり続けるビジネス環境に合わせてリスキリングし続けていくことが必要です。例えば、どんどんツールはデジタル化し、AIも業務にどんどん入ってきます。その中でAIをうまく活用し、生産性を上げていくことは全員に求められること。長く働くけれど変わりたくない、AIはわからない、などというのは難しくなります。
会社視点で見ても、長く働くベテランが増え、デジタルが得意ではない人がいた場合にも、
その人に合わせてデジタル化しないのではなく、できるだけ便利な方にすべての人を合わせていくような戦略をとり続ける必要があります。
さらに、長く働く人が増えるからこそ、人事制度も考え直さないといけません。そうでないと今よりもさらに年齢が高い人が増え、役職が空かないために若手が役職につく年齢が遅くなったり、新しいチャレンジをする機会が増えません。そうなると若手で有望な人ほど他の会社に移ってしまう原因になり得ます。
だからこそ、定年年齢を引き上げるだけではなく、全社でリスキリングし続ける人材開発の施策強化や、年功序列ではない制度設計などをセットで行わないと片手落ち、その場限りの施策になってしまうかもしれません。
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※この記事は、2024年7月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。