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先日、明治安田厚生事業団から、企業におけるテレワークに対応した健康管理に関する調査結果のプレスリリースが出ていました。
リモートワークの課題として「コミュニケーション不足」と「運動不足」という2つは2020年から変わっておらず、まだあまり解決策を見つけられていない会社が多い印象です。
ただ、運動不足に対する取り組みを見ていると、対策をしている会社の比率は2013年時点とさほど変わっていません。また、オフィスで働いていた時から運動不足だった人も少なくないと思うので、それ自体はリモートワークが根本的な要因ではないのかもしれません。
調査結果からも、リモートワークによってワークライフバランスが向上したり、通勤時間がなくなって時間に余裕がある人が増えていることは明らかです。しかし、余裕ができた時間で運動をするか? は、個人の問題とも言えるかもしれません。
一方でコミュニケーション不足に関しては健康面でも対策は必須だと思います。オフィスで働いている時と、リモートで働いている時で違うのは、体調が悪い人がいたとしても気づいてあげることができないという点です。
リモートワークにおいては、体調が悪い人から自ら声を上げてもらう必要があります。また体調が悪くないまでも、健康上で気になることがあれば、事前の相談など、密なコミュニケーションが健康の悪化を防ぐことになります。
ですが、そういったマイナスなことを社内の人に伝えるのは勇気がいることでもあります。だからこそ、管理職の人は日頃から何でも言いやすい環境を作ること、働くメンバーはなんでも発信するという文化をどこまで作って徹底できるかが大切です。
これは一朝一夕でできることではなく、日々の小さなコミュニケーションの積み重ねでしかできません。だからこそ忙しい中でも「意識的に仕事以外のことを少しでも話す」という習慣や風土をどう作っていくかがリモート時代ならではの課題であり、各社取り組む必要があるのだと思います。
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※この記事は、2023年8月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。