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コロナ禍でリモートワークという働き方は一定、市民権を得たと言っても過言ではないでしょう。
その結果として、リモートワークのメリットやデメリットについて語られることや、リモートワークを廃止する会社のニュースなどを目にすることも増えました。
参照記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/4efdc934f3635cb6608d77fcc86bd5233cae61a7
たびたび「出社回帰」などといった言説が出ますが、さまざまな調査をみてもアメリカをはじめ、世界各国、日本においてもこの1-2年くらいリモートワークをしている人の割合はほぼ変化がありません。つまり「出社回帰」ではなく、固定化です。
ビッグテックと呼ばれるグローバル企業が出社に戻すといったメッセージが出ることがあります。そのニュースによって「やはりあの企業でもリモートから戻すんだ」という印象になりますが、少し長いスパンでみると別の側面が見えてきます。
ここ1-2年でリモートワークを廃止したグローバルな大企業は、リモートワーク廃止の通知のあとに必ずといっていいほど大量のレイオフが行われています。これは、リモートワーク廃止という通告を出すことで、ある一定の人たちが辞めることを理解し、むしろそれによって辞める人が出てほしいと思った施策であるように見えます。
つまり本質的な狙いは出社回帰ではなく、人員の削減です。
このように考えると、改めて出社回帰という現象は起きておらず、あくまでもリモートワークというのが当たり前の選択肢に入りつつあるというニューノーマルが定着したと言う方が正しいのかもしれません。
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※この記事は、2024年7月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。