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リモート化、デジタル化時代に物理的な拠点を移転する意味

2023/03/28 Tuesday
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文化庁が3/27から京都に移転をしました。
参照記事:https://www.fnn.jp/articles/-/505050

明治以降、日本では初めて国の省庁が首都以外の都市に移転することになりました。

首都圏に省庁など国の行政機関が集まってることは、災害対策の観点からもリスクですし、文化庁に限らず各省庁も拠点を分散してもいいと思います。

拠点が東京以外になったり、分散することで、デジタル化やリモートでの働き方を急速に進めていくという姿勢を目に見える形で表すことにもなります。また実質的に、拠点が分散することで業務もリモートでせざるを得ないでしょうし、そのために業務のデジタル化も進むはずです。

では、首都以外の都市に移転するメリットは何があるのでしょうか。

例えば総務省は、もしかしたら各都道府県ごとに拠点が分散してもいいかもしれません。そうすることで、各自治体との距離も近くなり、かつ地方の実態を定性的に理解した上で行政を行えるようになるメリットなどもありそうです。

また長い目でみると、地方の優秀な人材が行政に関わる機会を増やすことに繋がる可能性もあります。

東京、しかも都心に住んでいない限り、国の行政に携わる人が周りにいないのでそういった仕事のイメージがつかず、行政の仕事につくことを暗黙のうちに選択肢から除外してるかもしれません。

各地に行政機関が移転すれば、自分の周囲、例えば子どものクラスメイトの親御さんが行政で働く人だったりすれば、小さい頃から行政で働くイメージも湧きやすいはずです。

私たちキャスターも宮崎県の西都市と山口県の岩国市にオフィスを構えていますが、やはり実際に「存在する場所」をみることで働くイメージがグッと湧く人も多いようです。

この効果は政治家にも言えるでしょう。例えば政治家の仕事の大半がリモートになって地元にいられるようになれば、もっと身近に政治家の仕事を見られたり、交流する機会も生まれるはずです。

結果的に、地域間の差なく行政や政治に携わる人やその人たちと接する人数が増え、志す人が増えたり、行政に関わる・政治家になる人に多様性が生まれていくことに繋がる可能性もあり得ます。

短期的なデジタル化やBCP観点ではもちろん、日本中どこにいても行政で働く人や政治に関係する人が周囲に当たり前にいる環境を作っていくことは、中長期的に多様なバックグラウンドを持つ人が国の行政や政治に関わることになるのではないかと思うのです。

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※この記事は、2023年3月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。