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昨日、パーソルホールディングス株式会社の部活動「男性育休推進部」が、パパによる「イクジ(育児)アスロン大会」を実施したことがニュースになっていました。
参照記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000929.000016451.html
男性の育休取得率が初めて3割を超えて増えてきているものの、3割を逆に言えばまだ取得しない人の方が2倍以上いるということでもあります。さらに男性の育休期間は平均で見てもまだ短く、1ヶ月〜数ヶ月単位という人が多いです。
育休を取らない、もしくは短いということは育児に関するスキルがどうしても低くなり、結果として母親になる女性が育児を担い続けていかなければいかなくなります。
そういった育児による男女差をなくす、男性がより育児を自分だけでできるようになるため、育児で何をするのかを楽しく表現することや、男性がおむつ替えなどを素早くできることをポジティブに表現するのは1つの手法としては有効かもしれません。
私の周りでは男性で育休を1年くらい取得した人もいますし、リモートワーク主体で家で仕事しながら育児も積極的にやっている人も少なくありません。
そういう人の話を聞くと、毎日子どもと触れ合っているのですごく小さい変化に気づけているようです。少しずついろいろなことができるようになるこどもの変化に気づくのは、親としてすごく嬉しいですし、子育てを積極的にやっていこうと思うモチベーションにつながると言います。
私自身もずっとリモートワークだったので、毎日こどもと一緒に過ごすことができ、特に生まれたての時は毎日のように変化があるし、初めて寝返り、つかまり立ち、ハイハイといった瞬間に立ち会えたのはすごく良い体験となっています。
こういう体験をする男性が増え、その喜びや面白さを伝えていくことで、男性で育休を取る人も増えてくるのではないでしょうか。
ただし、そういったこととは別に文化や価値観の課題はまだあります。例えば、男性で育休を1年取得することで他の人に比べて昇進が遅れてしまうといった例もまだあります。職場の中には男性が長く育休を取得したり、育児に時間を割くことイコール、キャリアを諦めた人とみなされることもまだあります。
また、根底には男性は仕事で頑張って稼ぐべき、昇進していくべきという価値観も根強いです。
今後、男性は仕事も頑張りつつ育児に対しても一人の親として時間を使うのが普通で、それをしないのは古い、というような価値観にいかにアップデートできるかは重要なのかもしれません。
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※この記事は、2024年8月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。