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先日、厚生労働省から男性の育休取得率が初の3割越えをしたという調査結果が発表されました。
参照記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240731/k10014531051000.html
3割はまだまだですが、それでも男性育休で1ヶ月以上取得する人たちが約3割になってきてるのは良い傾向です。
黄金の3割という法則があって、これは、その組織内で同じ属性の人の割合が3割を超えると、一気に集団の常識が変わるという法則です。
現在の子育て世代でそういった動きが出てくると、それをみている若い世代も、育休をとるのが当たり前となるのでどんどん広がるでしょうし、その結果、育休を取りたいと思ってる男性がほぼ女性と同じ比率になっていくと思います。
ただし、課題はここからが本番です。育児は1ヶ月で終わるわけではないのは当たり前ですが、男性と女性の育休期間が異なるのはまだ性差を生む要因になります。
また復帰後、男性はフルタイムだが女性が時短勤務になるパターンが多いのも事実ですし、男女ともにフルタイム同士で復帰したとしても家庭内の家事分担比率には差があることも明らかになっています。
だからこそ、育休期間を伸ばすのはもちろん、育休復帰後の性差要因になってる構造を変えることを考えないといけません。
例えば、時短になってもキャリア的に不利にならないような人事制度の構築、また男性であっても、キャリアの中では時短で働くことや休むことも当たり前で、それが不利にならないという文化をどう作るか、などが挙げられます。
むしろ男性でも時短勤務を選択する、そしてそれがキャリアに何ら影響を及ぼさないことを当たり前にするのが重要です。
そのためには、鶏が先か卵が先か議論ですが、まずそういった働き方の選択をする男性の数が増えることが先ではないかと思います。
そのためには、男性にも、育休の次に働き方を変えることを推奨し、そういう人が出てきたらそれをモデルケースとして広めていくという活動も重要かもしれません。
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※この記事は、2024年8月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。