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先日、東京都が職員が週休3日制で働ける制度を発表しました。
https://www.sankei.com/article/20250125-IBUFZ7HWHFMZTL42P4N7CFFHL4/
すでに大手企業では週休3日制を導入する会社も出てきています。もちろんそれにより、リスキリングの時間が取れたり、家族との時間が両立できたりといいことも多く、優秀な人材の採用に結びつく利点は大きいと思われます。
一方で、少し引いて見ると面白い現象であるとも言えます。今、日本は人手不足の時代でこれからもそれが進んでいくことはほぼ間違いありません。すでに「人手」は足らないわけですが、そこで週休3日制を実施するということは、さらに全体で働く時間が少なくなる、つまり人手不足が進む可能性がある施策であるということです。
それなのになぜ週休3日制が進んでいるのか?
これは意識的か無意識かは別として、経営が人手不足を「人数」でカバーするのではなく「生産性」でカバーせざるを得ないことを肌で感じているということだと思います。
つまり人数を増やしてなんとかする、ということのコストが高いので、まずはいる人たちが辞めない、満足して働いてもらうことに注力し、その上で今以上に生産性高く働いてもらうことで人手不足をカバーしようということです。
そう考えると週休3日制の導入というのは、働き方の多様化という側面ではなく、本質的には「生産性向上」の施策であるといえるかもしれません。
参照記事:
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※この記事は、2025年1月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。