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休みでもメールやチャットをチェックする……そんな習慣を断ち切る「つながらない権利」

2024/08/21 Wednesday
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先週は夏季休暇という人も少なくないと思いますが、このような調査が出ました。
参照記事:https://www.fnn.jp/articles/-/742723

夏季休暇を取得することに、約2割の人が罪悪感を覚えると答えています。

夏季休暇自体は会社の制度であり、働く人の権利なので、本来は罪悪感を覚えることなく取得してよいものです。交代制で休む会社であれば、自分の仕事を誰かが代わりにやってくれているため、そう思う人もいるのでしょう。

それ以上に注目なのは、約4割弱の人が休み中であってもメールやチャットの返信やチェックをしてしまうと答えていることです。

これは、コミュニケーションを取るツール(メールやSlack、Teamsなど)の発達と普及により、どこにいても、例えばPCがなくてもいつでも仕事モードが「ON」になれてしまうということです。

ツールの導入は便利ではありますが、常に休めない、仕事が日常に入り込んでくるという側面もあります。

今、ヨーロッパを中心に働く人の「つながらない権利」が注目され、議論されています。これは休みの日や退勤後に仕事の連絡が来ても、チェックしなくていい、返信しなくていい、という権利のことで、その権利を守るよう事業者に課していくという動きです。

リモートワークの普及によって、PCをいつでも持ち歩いている人も増えたでしょうし、日本でもこれから「つながらない権利」について議論が行われていくのだと思います。

なぜなら、休日や退勤後にも仕事の連絡をしていると、ワークエンゲージメントが下がる、ストレスが増える、男女の賃金格差が開くなどの悪影響が、すでにさまざまな研究で明らかになっているからです。

特に、ストレスや心身の不調への影響は大きいとされているため、これからは会社としていかに「働かせすぎないか」、業務時間以外は「つながらないか」を考えないといけない時代になって来ているのだと思います。

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※この記事は、2024年8月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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