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昨日、7月度の家計調査の結果が出ました。
参照記事:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230905-OYT1T50054/
全体で消費支出は5%マイナス、勤労者世帯の世帯主収入が6.0%マイナスで、かなりマイナスが大きい結果となりました。
とくに気になるのは支出の内訳です。食費のような毎月かかるものを少しでも節約しようとする行動は当然かもしれませんが、教育費など将来への影響がありそうな支出を抑えはじめているというのは懸念材料です。
これを会社に例えると、単月の交際費などを抑えたりするのは問題ありませんが、将来売上をあげたり、会社を成長させるための社員や就業環境への投資をも抑えてしまっている状態と同じです。今はコストが減るかもしれませんが、将来の成長可能性を狭めてしまうことにもつながります。
今回の調査結果も同様で、家庭や家族の将来がジリ貧になってしまうことを意味するので、どうやって手当てをしていくかが非常に重要だと感じます。
政府主導により賃上げは行われてきていますが、賃上げが今の物価上昇に追いつく、追い越すのは時間がかかるのも事実です。よって、個人が賄えなくなっているものを国としてどうカバーするか、そしてそれをどの項目に対して行うのかが重要になります。
食費、ガソリン、電気代など日々の生活を楽にするために国は施策を打っていますが、それに加え、教育費のように将来の投資が減らないように国が施策を打つことによって、まるでメッセージは変わるのだと思います。例えば、将来への投資を抑制しないように政府が代わりに教育費を負担する、というメッセージも有効かもしれません。
いずれにしても、日々の生活の苦しさから将来の生活を自ら縮小させてしまうスパイラルを作らないような打ち手、そしてその打ち手によって国民の意識が変わることが重要なのだと思います。
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※この記事は、2023年9月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。