最近、電気代の高騰に驚いている人も多いのではないでしょうか。我が家もペットがいるので暖房をつけっぱなしにしているのもありますが、電気代が以前の3倍近くなりびっくりしています。
朝日新聞の調査でも、原発再稼働賛成が51%と過半数を超えました。
参照記事:https://www.asahi.com/sp/articles/ASR2M7V76R2MUZPS003.html
東日本大震災以降、原発に関して国民のアレルギーは強いと言われていましたが、実際に自分の電気代に直撃するとなると原発を許容せざるをえない、ということでしょうか。言い方を変えれば、電気代の高騰に対して「反応」している人が多いということです。
こういった目の前に実際の不利益が起きた時に初めて「反応」するというのは、ビジネスの場面でもよくあります。
本来は前もって予測し、事前に対策を打てるといいわけですが、どうしても目の前になにか不利益が起きないと課題を感じず、対策が後手後手になってしまうことは少なくないのではないでしょうか。
後手に回ってしまうことを防ぐにはどうするか。そのためには「トリガー」を決めてしまうことが大事だと思います。
先の原発の例で言えば、電気代のもとになる原油価格がいくらになったら原発再稼働する、と基準を決めることです。この「トリガー」は早すぎても遅すぎてもあまり意味がありませんが、決めずにズルズルきてしまうよりは、ある方がマシです。
ビジネス界でいま話題なのは、ChatGPTでしょう。
経営者はビジネスオーナーであればどうやって自分のビジネスに活用するか、組み込んでいくかを考えている人も多いのではないでしょうか。
そして悩みは「いつ」「どういった」形でやるか? だと思います。その「いつ」に関してはトリガーを決めることで出遅れずにスタートすることにつながります。
そして適切なトリガーを決めるには、深く知ることが重要になります。
そういう意味では、それぞれのTopicについて浅く見聞きする、なんとなくニュースを見たり有識者の意見を聞いて「なるほど」と思うくらいの行動は準備とは言えません。ChatGPTで言うなら、自ら手を動かして使っていないのは問題外ですが、自分でChatGPTに何か言葉を1~2回打ち込んでみるレベルでも準備に入らないと思います。
ChatGPTであればnotionAIのように、notionというドキュメント管理ツール上でAIが自動的に議事録や文章作成などをしてくれるサービスが登場していますし、それ以外にも先ほどあったようにMicrosoftのBingという検索エンジンにもChatGPTが実装されています。こういったものを利用し、何ができてできないのかを徹底的に理解していくことが準備の第一歩です。
notionAIは有料ユーザーにならないと利用できませんが、Bingはもちろん無料で誰でも使えるし、ChatGPT自体も無料で利用できます。
もっと言えばGPT-3のAPIを取得し、1ヶ月くらいプログラムのコードを書いてみるなど自ら手を動かすこともできます。プログラムなんてやったことない、と思う方も多いかもしれませんが、GPT-3のAPIを取得したり、それを使って何かを行う(例えば毎日自分がやっている業務を自動化するアプリでもいい)ためのコードはChatGPTに問い掛ければ生成してくれたりもします。
つまりやりたいことの指示が日本語で出せれば、プログラミングの知識がなくてもアプリケーションを作ることもできるのです。ただ、こういったことは自ら手を動かしてみないとわかりません。そして自ら手を動かさないと、身につきません。自ら手を動かしたり詳しい人に話を聞きに行く、本を読むなどによって、自分なりに体系的に理解することこそが必要な準備になるのだと思います。
そして、それをやるには時間、つまりヒマでなければいけません。経営者は暇でないといけない、と昔から言いますが、まさに今の時代こそ「ヒマ」があるかが重要なことなのかもしれません。
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※この記事は、2023年3月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。