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先日、週の休みは何日がベストかという調査が出ていました。
※参照元の記事はこちら
私個人は、リモートワークをしていると移動時間関係なく、次から次へと隙間なく予定が入ってしまうので、1日8時間オフィス勤務していたときに比べると、疲労度が増していると感じています。
なので今後リモートワークをしている会社ほど、週休3日制とか1日の労働時間を短くする、という取り組みはこれから増えてくるかもしれません。
現在、私たちは週休2日が当たり前になっていますが、週休2日制を日本で最初に行ったのはパナソニック創業者の松下幸之助さんです。その時は「1日休養、1日教養」のために休むべきであるという信念でスタートしました。
つまり休みを増やすなら、ただ遊んだりダラダラするだけではなくてしっかり今後の自分のためにつながる活動に時間を充てるべきである、というのがコンセプトです。
実際、周囲の人を見ていて、週末や空いている時間に勉強したり何か新しいことに取り組んでいる人の方が、仕事も充実している人が多いように感じることも少なくありません。
一方で疲れも溜まっているし、休みの日はダラダラしたり、仕事のことから離れたいというのが本音、という人も多いでしょうし、その気持ちはすごくわかります。
本質的には「休みを増やす」ではなく、休みを増やさなくても仕事の疲れがとれる、もしくは、自分のやりたいことに時間をあてられるようになるか、というのが論点です。
つまり、「普段の働き方をどう変えるか」の方が、よほど大事なのではないかと思います。それがないと週休3日になったとしても、他の日の仕事量が増えてしまい、結果的に全然疲れが取れないなら意味がありません。
他方で建設産業では、2024年より週休2日制が導入されることが話題になっているくらいで、サービス業の人で、週休2日を取れている人は少ないのではないかと思います。
つまりここは産業間で差がある、ということです。サービス産業で働くなら休みが少ないのは当たり前、となってしまうと、今ですら人手不足が深刻なのに、ますます人が来なくなってしまいます。
だからこそ、そういったサービス産業こそテクノロジーを積極的に取り入れ、人の手を介さずにサービスを運営する方法や、働いている人が他の産業と同じくらい休め、同じくらい稼げるようにするのかを考えることが本当に重要です。
休みを増やすのがいいかどうかは一律では言えず、産業や今の状況の中で、最も重要な課題を解消することから目を背けてはいけないのだと思います。
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※この記事は、2023年7月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。