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東京都は都職員が週休3日や部分休暇導入を発表しました。
参照記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/649fbd504968632d6164d2c942b5676bacf29c27
ネット上ではさまざまな意見が飛び交っていますが、働き方の柔軟さを確保することは、さまざまな面でメリットがあります。
これはたくさんの研究でも実証されていて、柔軟な働き方の整備は
・男女ともにメンタルブレイクの可能性の軽減、離職率の低下、エンゲージメントの向上
・特に女性において上記の効果が顕著
・男女の賃金格差や女性が管理職になりやすくなる
などにつながります。
ただ、柔軟な組織の中で出てくる新たな課題にも対処しないといけません。それは「Flexibility Bias(フレキシビリティ・バイアス)」への対処です。Flexibility Biasというのは「柔軟な働き方を選ぶ人というのは仕事にコミットしていない」と考えてしまい、役職登用の際に不利に扱ったり、評価されにくくなるというバイアスです。
しかもこのバイアスは男性に対して強く働くということも言われています。
つまり男性は会社や仕事にフルコミットする、時には家庭なども犠牲にして仕事することが重要である、とみなす価値観がまだ根強いということです。だからこそ柔軟な働き方をする男性は「仕事にコミットしていない」とバイアスをかけられてしまう、それを男性もわかっているからこそ、そういった働き方をしたくても選択しない男性も少なくありません。
これでは結局男女の差は埋まらず、男性は制度があるのに使えないなどの事態になってしまい、制度が形骸化します。
そうならないためにもFlexibility Biasの存在を認識し、働き方の柔軟性を求める姿勢と仕事へのコミット、もしくは成果は別物になるような評価制度設計こそ重要になると思います。
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※この記事は、2024年12月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。